ワインではよく使われていますが、お茶に関してはタンニンよりカテキンという言葉を使うようになりました。
と言うのも、お茶にとってタンニンは、あまり良いイメージがなかったからです。
渋味の元ですし、湯飲みや急須の汚れの原因、昔は色が黒くなるなんてことも言われたようです。
そもそもタンニンとは、「皮をなめす性質を持つ植物成分に与えられた名称」だそうです。
昔のヨーロッパ人たちは、世界中に良い皮なめし(タンニン)を探しに行き、そのため早くから研究も進められていたようです。
タンニンが皮なめしに使われてきたのは、蛋白質と結合し凝集させる性質を利用したもので、これを収斂(しゅうれん)作用と呼んでいます。
濃く淹れたお茶に強い渋味を感じるのは、お茶に含まれるタンニンが舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して収斂作用が起き、渋味を感じるのだと言われています。
さて、タンニンとカテキンは同じ物質かというと、必ずしもそうではないようです。
はじめに申し上げましたが、タンニンが「皮をなめす性質を持つ植物成分に与えられた名称」なのに対し、カテキンは「化学式C5H10O3で表されるフラボノールで分子量は118。IUPAC名は3-ヒドロキシフラバノン。広義にはそれを骨格とする誘導体をさす。」というように物質を指す名称なのです。
はじめに、お茶にはタンニンが含まれていることがわかり、その後の研究でお茶のタンニンは、実はカテキンであったことがわかったのです。
最近の研究で、カテキンには様々な保健作用があることがわかってきました。
そこで、良い面にはカテキンを、悪い面にはタンニンを使い分けているのが、実情なのです。(ずるくてごめんなさい。でも「静岡茶いち」はカテキン一本です)
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